けんとのブログ

辛さの中に旨みあり

東大RB2025_1_4 logx<=[1/2x+a]

この記事は毎日数学の問題を解く企画 "勝手に数学アドベントカレンダー" 6日目です。 (1~3日目は存在しません.)

今日は東大実戦の夏のちょっとバズった問題を解きます.

昨日の記事

anemame2021.hatenablog.com

問題

[!info] 東大実戦 2025 第1回(夏) 第4問

$\log x$ の底は $e=2.71\ldots$ とする. このとき, 以下の条件が成り立つ実数 $a$ の範囲を求めよ.

  • 任意の正実数 $x$ に対して, $ \log x \leqq \left \lfloor \dfrac{1}{2} x + a \right\rfloor$

[!end]

概要

まあ見た目は簡単だが記述面の評価が厳しい駿台ということもあってめんどくさい. できるだけ楽したい. 整数部分を固定したいが, 左辺を $m+r$ とおくと, 右辺は $\geqq m+1$ と制限がかけられるのでよさそう.

解答例の $\lfloor a\rfloor$ で場合わけとかよりは気持ちよく解けてるはず.

ktanikun解答

まず, $x=e^t$ と置換して, 条件を,

  • 任意の実数 $t$ に対して, $ t \leqq \left \lfloor \dfrac{1}{2} e^t + a \right\rfloor$

と書き直す. そして, 任意の実数 $t$ に対して, 整数 $m$ と実数 $0<r\leqq 1$ に対して, $$ t = m+r $$ と書く. ( 注意 : $m$ は整数部分ではなくて, $t$ が整数の場合の扱いが違う )

このとき, 左辺は $m+r$ のとき, 右辺は整数値しか取らないので $m+1$ 以上である必要があるので,

  • 任意の整数 $m$ と実数 $0<r\leqq 1$ に対して, $ m+r \leqq \left \lfloor \dfrac{1}{2} e^{m+r} + a \right\rfloor$

つまり,

  • 任意の整数 $m$ と実数 $0<r\leqq 1$ に対して, $ m+1 \leqq \dfrac{1}{2} e^{m+r} + a$

と同値. 移項すると,

  • 任意の整数 $m$ と実数 $0<r\leqq 1$ に対して, $ a \geqq m+1-\dfrac{1}{2} e^{m+r}$

となるので, $m$ が整数, $r$ が $0<r \leqq 1$ を動く時の $$ f(m,r) = m + 1- \dfrac{1}{2} e^{m+r} $$ の取りうる値を考えればよい.

$m$ を固定した時, $f(m,r)$ は $$ m+1 - \dfrac{1}{2} e^{m+1} \leqq f(m,r) < m+1 - \dfrac{1}{2} e^{m} $$ を動くので, $h(t) = t - \dfrac{1}{2} e^t$ とおくと, この範囲は $$ h(m+1) \leqq f(m,r) <h(m)+1 $$ と表せる. $h'(t) = 1- \dfrac{1}{2} e^t $ なので, $h(t)$ の増減は, $$ \cdots < h(-1) < h(0) \left(= -\frac{1}{2} \right)< h(1) \left(= 1-\frac{e}{2} \right)> h(2) > \cdots $$ となる. なので, $h(m)+1$ が取りうる最大値は $h(1) + 1 =2-\dfrac{e}{2}$.

つまり, 条件を満たすには $a\geqq 2-\dfrac{e}{2}$ が必要で, 逆にこの時任意の $m,r$ で $f(m,r)\leqq 2-\dfrac{e}{2}$ なので, 求める条件は $$ \boxed{a\geqq 2-\dfrac{e}{2}} $$ である. (おわり)